2007年12月28日金曜日

8店が3つ星

 注目される格付けでは、星付き店の60%以上が日本料理だった。中身も懐石、ふぐ料理、すし、そば懐石、鉄板焼きなど幅広い。特に3つ星にすし店が2つ選ばれたことについて、料理評論家の山本益博さんは「世界的なスシブームの中、これがお手本だという姿を世界に示すことができる」と評価した。


 “3つ星シェフ”となった「すきやばし次郎」の小野二郎さん(82)はこの日、「日本では初めてなので実感が伴いません。これから体にしみてくると思う」と話した。


 同店は、ビルの地下にあり、クレジットカードは使えず、外国語のメニューもない。それでも、素材と味、サービスへのこだわりが高く評価された。清潔さを保つために40年以上の間、外出する際には必ず手袋をはめているという小野さんは、「今しばらくは(仏料理の)ロブションさんに負けない仕事を続けていきたい」と決意を語った。


 記者会見した発行元の仏タイヤメーカー「ミシュラン」の同ガイド総責任者、ジャンリュック・ナレ氏は「東京の空には、世界で最も多くの星が輝いている。質の高い食材、卓越した技法、何世代も受け継がれてきた伝統と、それを若いシェフが発展させている。われわれはベストを尽くし、ふさわしいセレクションをしたと自負している」と胸を張った。


 これまでの“グルメナンバーワン都市”は星付きレストラン64店(うち3つ星10店)があるパリだったが、東京が大きく上回った。3つ星店の数も世界で計68店に増加。山本さんは、今回の選定について「星の獲得店が多いのに驚いた。少し評価が甘いと感じないわけではない」としながらも、「快適性がそれほど高くはない小人数の店が3つ星に選ばれるなど、日本の食文化をよく理解している。高い評価は喜ばしい」と述べた。

2007年12月26日水曜日

ミシュランガイドは星1つ

あのJ・C・オカザワが辛口判定!

 「表現にまったく深みがなく、お手軽なガイドブックなみ。ここをこうすれば二つ星から三つ星になる、といった課題を提示することがレストランの格付けには不可欠だと思います」

 東京には、三つ星なら15軒、二つ星なら50軒、一つ星なら100軒を下らない店があると断言する岡沢さん。ゆえに、パリやニューヨークをはるかにしのぐ150軒に星が付いたことは妥当としながらも、星の数やコメント部分については手厳しい。

 たとえば三つ星のついたカンテサンス(仏料理)。「レストランの楽しみの半分はメニュー選びにあります。この店はすべてがおまかせで、メニュー選びの楽しみをはなから奪っています。フランスではこのタイプの店に三つ星はつかない」。

 濱田家(日本料理)の三つ星にも異論あり。「濱田家は料亭です。料亭とは芸者を呼んで遊ぶ場所であり、対象外とすべきではなかったか」。かんだ(日本料理)についても「おまかせコースの中に握りが入っていますが、これは日本料理の伝統にかなうものではありません」と指摘する。

 さすが日本の食文化、いやいや星が多すぎる…などと話題を集める「ミシュランガイド東京2008」。初版12万部が発売から4日でほぼ完売するなど注目度は抜群だが、その信頼性はいかほどのものか-。年に外食350日、月に外食費を30万円かける“自腹取材”で数々のレストランガイドを出版している文筆家の「J・C・オカザワ」こと岡沢伸一さんは、「選定の基準には納得のいかないところがある」とかみついた。

2007年12月20日木曜日

2大レストランガイド本で“舌戦”

聖夜目前の東京で、老舗レストランガイドの両雄が火花を散らす!?

 世界の主要88都市のレストランガイドを手がける「ザガット・サーベイ」。都内のホテルで19日、開かれた「日本上陸10周年パーティー」に、夫婦で会長を務めるティム・ザガット氏とニーナ・ザガット夫人(65)が駆けつけた。

 「ミシュランガイド」東京版について「私も持っている」と明かすティム氏。パーティーで「あなたは、あのガイドの店に行けますか」と記者に逆質問すると、「庶民にはなかなか行けない店だし、あんな高級料理ばかり食べてたら、肝臓を壊すよ」。両手でバンザイする“お手上げポーズ”で締めくくった。